忘年会も一段落したある日の事。 お得意先の、とあるお料理屋さんでは、早々に年内の店頭営業を終えて、ご予約販売の「おせち料理」作りに専念しておりました。
真っ先に仕込みを始めるのは、毎年「黒豆」です。 無芸が丁度お邪魔した時には、4日間の下処理を終えて、いよいよ炊き上げに掛かるところでした。 お料理屋さんの「黒豆」って、ふっくらとしていながら、しっかりとした良いお味があって、大好きです。 シンプルなだけに、外連味の無い仕事が要求される、根気の要るお料理ですね。
大鍋で下準備をしているのを見ながら、板さんに「黒豆焚き」のお話しを伺いました。 素材はやはり「丹波」のものが絶品らしいですが、11月を迎える頃には、相場も右肩上がりになってしまうので、市場に登場すると同時に、必要な量を買い込んでおくそうです。
黒豆の炊き上げには、丸々一週間を要するそうです。 下処理の段階から、お鍋は決して沸騰させてはならず、安定した温度を維持する為にも、大鍋に黒豆1に対して煮汁10くらいの割合で4昼夜掛けて行います。
その上でいよいよ炊き上げ。 勿論煮汁は全て捨て去り、新しい煮汁を張り直します。 この最終局面で更に二日ほど掛けて、じっくりと味を含ませてゆきます。 こんなに手を掛けて調理するのは、現代社会の家庭では、なかなか難しい事でしょう。 プロの料理屋さんだから出来るお料理ですね。
板さんが仕込み中のお鍋から、黒豆をすくって見せてくれました。 見事に粒の揃った極上の黒豆は、まだ下処理段階だと言うのに、艶やかな色合いで、当然のことながら、外皮も剥離の兆候は全く見られませんでした。
このお料理屋さんで修行しているお弟子さん達は、とても幸せです。 普段のお料理とは、全く別次元の「おせち料理」を習得する機会を得ているのですから。 しかも、そのチャンスは年に一回。 師匠直伝の技巧は、ゆくゆく彼らの大切な財産になる事でしょう。(^^)

同日、このお料理屋さんのすぐ近所で、全く対局の出来事を目撃してしまいました。 それはとある駐車場での出来事。 とあるデパートの催事用の什器を搬入していたトラック。 無芸は最初は何も気に留めませんでしたが、その出来事は突然やって来ました。
リーダーと覚しき、無芸と同年代の男性が、無芸のじいさんと同年代と覚しきアシスタントさん二名に、厳しいげきを飛ばし始めました。
「何やってんだよ!全く使えないなぁ!」無芸もビックリしたけど、通りがかりの買い物客の皆さんも、驚いて声のする方を凝視してしまいました。
どうやらリーダーさんの思惑通りに、アシスタントさん達が動いてくれていないようです。
「こんなだったら、オレ一人でやった方が、よっぽど早いわ!」うわぁぁぁぁ!Σ( ̄ロ ̄lll) 言うか?そこまで! アシスタントさん達は、終始無言で懸命に仕事を進めているように見えます。 無芸、思わずムッとしてしまいました。(-_-;)
たまたまアシスタントさん達が、自分の父親と同年代だった事。 そして衆目を憚らず罵声を浴びせるこのリーダー。 これが彼の“仕事の流儀”なのか?? アシスタントさん達と、自分の父親をダブらせながら、勝手に気の毒に思えてしまいました。
70歳を過ぎても、やんごとなき事情で仕事を続けなければならない彼ら。 自分の息子と同じくらいの若造に、人通りの多い道の往来で、まるでバカ呼ばわりされているかのような仕打ち。 とてもいたたまれませんでした。
思わず無芸、心の中で叫びましたね。
「使えねぇのはテメエだ! 一人の方が早いんだったら、余計な人件費を会社に払わせるな!(`m´#)」ハハハ… 言い過ぎです。(^^;) でも、目上の人に対して敬意を払えない人は、周囲からの尊敬に浴する事は無いでしょう。 それでも彼らは、日銭のためにグッと堪えて頑張っているのです。 負けないで下さい!
ずっと以前のことですが、無芸が親しくお付き合いを頂いていた実業家の方のことば。
「上司や会社の悪口を言ってはイケません。 それはそんな上司や会社に勤めている自分自身を悪く言っているようなものです。 本当にダメだと思うなら、そんな会社にいてはイケません。 そんな会社にいる自分自身の無能さをさらけ出しているようなものです。」
「部下や社員の悪口を言ってはイケません。 それはあなたが、部下のやる気を引き出せず、ろくでも無い社員しか雇えない事を自白しているに等しい事です。」
きれい事ですかね…(^^;) まるで「相田みつお」の世界観かな?
>思わず無芸、心の中で叫びましたね。
うんうん、多くは語りませんが・・・わかります。
勘違いをしている人達が、多い世の中です。
「ざけんなよ!このボケ!」みたいな(笑
無芸さんの「桜の写真を撮った」ブログで、畑に無造作に入っている奴・・・
「ざけんなよ!このボケ!」最悪人間(怒
>でも、目上の人に対して敬意を払えない人は・・・
基本は、ここからでしょうね!
こんばんは^^
無芸さん、黒豆のお話しいいおはなしですね。
ホント黒豆は難しいです。
ふっくら黒豆もおいしいですし、
家庭で作ったちょっと固め、しかも皺も寄っちゃってる黒豆も私は大好きです。
黒豆を炒ったのをご飯を炊くときに一緒に入れて炊くと、
紫色のきれいなご飯になるのもおいしくて大好きです!!
ずっと昔に、本で読んだか、人に聞いたのかは忘れてしまいましたが、
職場で部下に注意する時には、
まわりに人がいないときに、
ほめる時は人がいるときに
というのを耳にしたことがあります。
目を背けたくなるような光景だったでしょう・・・リーダーさんのとった行動は。
人を蹴落として自分が優位に立とうとするような人と
一緒に仕事をしなければならないなんて
お気持お察しします。アシスタントさんたちが気の毒です。
ま、リーダーさんもめぐりめぐっていつかご自分に返ってくることでしょう。
私も職場で自分の発言、気をつけなければ・・・。反省です。
会社は選べても上司は選べないのが辛いです。(゚ーÅ)
あ、十字屋楽器店でフルートを習ったことがあります。懐かしい。
黒豆の最後の2日でゆっくり味を染みさせるの、以前料理番組か何かで聞きました。
急に濃度の高い砂糖水につけると、豆の皮が浸透圧の急激な変化で膨らみすぎて割れてしまうそうです。
それを防ぐためににすこしずつ濃度を上げていくんだとか。
本当に手間がかかりますよね~。
だからきれいに美味しくできるんですね。
無芸さんのお知り合いの実業家さん、良いこと言いますね~。全くその通りだと思います。
無芸さんが見たリーダーは、ちゃんとスタッフに指示ができてないリーダーとしての資質にかける人で、それを周りの人に自ら知らせちゃってるオバカさん・・・そんな見方もできますね。
黒豆の作り方で、日本料理の奥義を知ることができました。
閉店後、我が家の台所からはシュ シュという圧力鍋の音・・・黒豆を作っているようです。
仕事をしながらのお正月のしつらえやお料理に、
お母ちゃん奮闘の様子です。
それでは 無芸さん お互いに今年の無事に感謝し、よいお年を迎えましょう。
小鉄さん
ちょっと過激な表現がありましたが、殺伐とした雇用風潮には、どうしても違和感を禁じ得ません。 見方を変えれば、パワーハラスメントとも取られかねない場面でした。
みんな頭では分かっているんだと思います。 廃れたスローガンですが、「美しい国・日本」って、こんなところから見直せないものでしょうか? みんなが心地好く暮らせる国であり続けて欲しいナ。
私達の子孫へ伝えるべきメッセージは、普段の私達の在りようの“後ろ姿”でも示せるはずです。(^^)
ベニーさん
黒豆の炊き上げって、とても手間暇が掛かって、根気の要る調理なんですね。 勿論、ご家庭で炊き上げられる“家庭の味”が引けを取る訳ではありません。 丁度今、叔母が自家製の黒豆を届けてくれましたヨ。 叔母さんの黒豆も大好きです。(^^)
職人さんのお話は、お聴きしているととても勉強になります。 真似事でも、「もっと美味しく調理する」手がかりが頂けますしね。 そんでもって、意外と化学的な根拠があったりして、興味津々です。
今回はちょっと過激な話も含まれておりましたが、もし自分の父がそんな風に言われたら…と思うと、とてもやりきれない気持ちになってしまいました。 きっと彼らにも家族があり、私と同年代のお子様がいてもおかしくありません。 なんかたまんなくなっちゃって…
「会社では上司が選べない」 まさに仰るとおりです。 無芸も学生時代に、とある企業の準社員経験がありますし、友人達の多くも同じストレスを訴えております。
だから無芸が伝え聞いた実業家さんの言葉って、「きれい事」が多分に含まれていると思います。 事業主としての心得として教えて頂きました。 少しでも近づきたいものです。
「十字屋楽器店」今でも沢山の常連客に恵まれているようです。 昔は楽器全般、このお店以外に豊富な取り揃えと専門知識を有するところはありませんでしたよね。(^^) ベニーさんは、今でもお手元にフルートをおいておられるのでしょうか? 無芸は没頭していたアコースティックギターも、今ではどこへ行ったやら…(^^;)
和さん
そうそう、最後の炊き上げの際には、三回に分けてお砂糖を加えるそうです。 大量の汁を張っておくのは、液温が急激に上下動したり、黒豆が液中で踊らないようにする為だそうです。 うぅ~~~ん、化学だワ(^^;)
ごめんなさいねぇ… 何かエラそうな事を書いて。 現実問題として、会社勤めをなさっている皆様にとっては、毎日様々な理不尽に向き合わざるをえない事と思います。 ホント、理想論ですから…(^^;)
華ちゃんパパさん
お正月には、ご子息様家族や嫁がれたお嬢様家族もお出でになるのでしょうか? その笑顔を思い浮かべながら、おか~たんは夜遅くまでおせち料理を仕込んでおられるのでしょうネ。(^^)
今年も一年、大変お世話になりました。 最後の最後まで、事故無く過ごして、楽しく新年を迎えましょうね。(^^)
黒豆って簡単そうで、実はキレイに美味しく煮るには結構難しいんですよね。そんな黒豆を美味しく毎年美味しく作ってくれている実家の母親ってスゴイよなあ…なんてちょっと感傷的になってしまいました。今年は実家の九州には帰らないのでちょっと寂しいですが、県内の嫁さんの実家の黒豆を堪能してきます!「おせち」って土地柄がハッキリ出てて、いろいろと面白い発見があったりして面白いですよね。
しかし、雪がエラいことになってきましたね!
雪と寒さと車に(あ、あと暴飲暴食にも…)お気をつけて、良いお年をお迎えください!
プレミアムさん
こんにちは。(^^) 今年は当地で新年を迎えられますか。 きっとご実家では、淋しく思っておられる事でしょうけど、奥様のご実家で、当地の伝統料理が楽しめると良いですね。
それにしても、昼過ぎから降り出した雪。 ようやく本格的な降雪となりました。 しっとりと落ち着いたお正月になりそうですね。
暴飲暴食は無芸の本懐ですので、ヤッパリ止められないだろうなぁ~(^^;) ともあれ、良いお正月を楽しまれますように。
無芸さん、おばんです。
十字屋楽器店、私もひとつ思い出しました。
当時、アリスのメンバーの方々はモーリスギターをお使いになっていて、
私もお年玉で買いました、モーリス!!
なんだかとってもカッコよかったんですよね~。あの頃のアリス。
無芸さんはそのギター行方知れずなのですか・・・?
私のは、いまだに我が家にあり、夫が弾いています。たまにですが。
フルートのほうは、上達もしないまま今もってまったくご無沙汰しています。
肺活量はおかげさまで4200ほどあります。
黒豆・・・奥が深いですよね。冷める時に味がしみこむということも聞いたことがあります。明日が楽しみですね~。(あ、もうお味見しちゃったかな?)
ベニーさん
ワハハ(^^) 同年代ぃ~~~

いや、たぶん無芸の方がちょい上でしょうか?
モーリスのギターは、全然音が違っていましたネ。 何かドライでカラッと乾いた音で、音のボリュームも一段大きく澄んだ音色でした。 国産品よりも三割くらい高価でしたけど、その違いは明白でしたよね。
私のギターは、多分倉庫の奥底に眠っているのだと思います。 数年前にチラッと見た記憶が蘇りました。(^^;)
肺活量4200ccって、かなりのものですよね… すごいなぁ…(^^;)
黒豆はこれから頂きます。 ノホホ、楽しみぃ~(*^_^*)
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