甲子大橋の袂から分岐した道路を谷底へと下っていきますと、甲子温泉の一軒宿
「大黒屋」さんに辿り着きます。 甲子道路が整備される前は、阿武隈川の川沿いの谷を縫って旧国道を利用して行くしかありませんでした。
そしてその先の甲子峠への道は登山道となり、車両で山越えして下郷町に入ることは出来ませんでした。 言わばここが以前の終着点だった訳です。 つぶさに探索すれば、川沿いには峠へと続いていたであろう旧道の残滓が残されてはいますが、当然ながらボク達の目的は
“酷道の旅”ではありません(;´^д^`)ゞ
下流側に向かって旧国道は残っていますが、ゲートで仕切られていて現在は車道として供用されていません。 ボクらはここに車をデポして、この旧道へと下って行くことにします。 ボクにとっては初めて立ち入る場所ですが、旧友C君は何度も足を向けている場所なのだそうで、導いて頂きました。

事実上管理放棄された旧国道ですので、路面状況も怪しかろうと思っていたら、意外にもまだ供用可能っぽい感じです。 ただ路面には落ち葉や落ち枝が積もっている場所があったり、染み出た山水が道路を流れていたりと、足許を滑らせるトラップは満載です(>▽<;;
道路脇に残されている標識には、
“斜度20%”なるものが残されていました。 確かにヘアピンカープの辺りは、相当な斜度になっていましたから、旧道に頼るしかなかった頃は「大黒屋」さんへの道行きも躊躇された事でしょう。 下りでスリップしたら、とても生きた心地はしないと思いますヨ( ̄ω ̄;)
[2013/10/27 秋色の阿武隈川] <↑ Clickで拡大>
さて、急な坂道を下りきりますと阿武隈川の川沿いに沿った旧道を歩きますよ。 舗装面も良いコンディションですし、やはり初めて訪問する場所ってのは、創意工夫を傾けますので、とても楽しいものです。
[2013/10/27 奥甲子渓谷の谷間] <↑ Clickで拡大>
まだ陽の光が回りきっていませんでした。 多分お昼くらいにはもっと万遍なく陽が差して、また違った写真が撮れそうです。
[2013/10/27 垣間見える青空] <↑ Clickで拡大>
甲子大橋の橋の上では、ビビってしまうほどの強風でしたが、いつしか強風も収まってきて、渓谷から見上げる空色も秋の青さを取り戻してきました。
[2013/10/27 峠酷道] <↑ Clickで拡大>
まだ全般に秋の色付きが浅い感じでしたけど、褐変が進んでいる木々もあったり、今年は今ひとつ一貫性の無い里山の秋景色です。
[2013/10/27 甲子温泉 大黒屋] <↑ Clickで拡大>
これが
「大黒屋」 (
URL)さんです。 2009年6月に新装しています。 とてもモダンな建物ですが、それは周囲の景観を全く損ねない素晴らしいものです。 立ち寄り湯もあるそうでして、この日もひっきりなしに来客があったようです。
[2013/10/27 谷底の華] <↑ Clickで拡大>
旅館の周囲もまた、素晴らしい景観が楽しめます。 ここに宿泊したお客様は、さぞかし楽しまれる事でしょう。 野暮かも知れませんが、夜間にはライトアップしてお食事処から一望出来たなら、更にプレミアムは増しそうなほど、この谷には高いポテンシャルがあります(^^)
以前はこの道を辿って甲子大橋の架設現場を見に行きました。上路ができる前の微妙にカーブした巨大アーチは迫力がありました。
恐るべき20%勾配のヘアピンと国道標識脇の階段、道路上空を横断し豪快に流れ落ちる水路も撮り納めました。
大黒屋さんのお風呂は、1.2mもの深さがあるそうですね! まるで立ち湯ですねw( ̄▽ ̄;)w しかも泉質の素晴らしいとの事ですから、写真撮りだけに精を出さなくなってきた暁には、温泉付き撮影行脚へと趣向を変えましょう(;´^д^`)ゞ
知らずに足を踏み入れたボクには、まさにWonderworldでした(〇o〇;)
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