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自家製果実酒の悩み

酒税法の壁 自家製果実酒の提供「だめ」 ニセコのペンション 肩落とす経営者

こんな記事が「北海道新聞」のWebページ(ソース)に掲載されていました。 どうやらこの件は、全国ニュースにもなっていたようです。

北海道ニセコのペンション「ふきのとう」のオーナー氏は、果実酒の造り方を記した著作があるほど、北海道では自家製果実酒造りの第一人者でした。 彼は約100種類の自家製果実酒を、自ら経営するペンションで、宿泊客に良識的な価格で提供しておりました。 また彼の果実酒を楽しみに訪問する宿泊客も多かったそうです。

そんな彼の許を札幌北税務署員が突然訪問してきました。 曰く「自家製果実酒を、仮に無料であれども客に振る舞うのは違法である。」 多分このオーナーさんは、ある程度の違法性には気づいていたのではないでしょうか? 確信犯とは言い切れませんが、周囲で普通に宿や飲食店が「自家製」として販売目的に製造し、振る舞っていた事は事実であり、また“誰でもやっているのだから、私だけがやってはいけないハズが無い”と思い込んでいたのでは…

積極的に法に真っ向勝負をしようなどといった思いは無かったと思います。 それくらい自家製果実酒は、我々の生活の中で、とてもポピュラーなものであり、代々受け継がれてきたものでもあります。  ちょっと冷静に考えれば、彼は「人身御供」になってしまったと言えないことはありません。

無芸は自分の仕事柄、この自家製果実酒の法的な扱いは知っておりましたが、このような検挙の例は皆無でしたので、敢えてお客様にご説明する事はしませんでした。 それに加えて、下手にこんなハナシをしたら、「酒屋の保身」とも取られ兼ねませんからね。(大汗)

今後の法律の行く末については、何も申し上げる気はありませんが、折角ですから、どこまでがOKで、どこからがOUTなのかを以下に記しておきます。

●自分で造った果実酒を、同居している家族に飲ませるのは○
●自分で造った果実酒を、別な家作に住む家族に飲ませるのは×
●自分で造った果実酒を、訪問客に飲ませるのは、無料でも×

つまりこれを上回る規模で、他所様にお分けしたり、ましてや営利目的で造る事自体×であり、お店で売る事は違法行為となります。

ですから、田舎のお祖母ちゃんが仕込んでおいた、30年モノの梅酒を頂戴するのだってダメと言う訳です。(^^;) すんげぇ、がんじがらめの法律です。 でも法として施行されている限り、ルールはルールなのです。

遡って、明治時代から戦後荒廃期に到るまで、酒税は大切な国家に収入源でありました。 明治時代には国税収入の36%を占めたほどです。 ですから、酒造免許制度を布いて、強固に税収の維持を図っておりました。 米が貴重だった時代には、酒造元に税務官が度々訪れて、発酵タンクの総量をチェックして、納税漏れが無いように目を光らせていた時代もありました。

勿論、現在も酒造免許制度、酒類販売免許制度はございます。 此度、摘発を受けた彼には少々気の毒ではありますが、「法は破るためにあるもの」などと言わずに、「今後どうあるべきか」をご一考頂く機会となればと思います。

うぅ… ちょっと厳ついハナシになってしまった。(^^;) ゴメンナサイね。