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新酒の香り

23日は、地元の清酒醸造元、金寶自然酒醸造元「仁井田本家」さんの、秋の利き酒会があり、訪問させて頂きました。

仁井田本家


この蔵元は、あと5年で創業300年を迎える、福島県内きっての古い歴史を誇る蔵元です。 また、無農薬・無化学肥料栽培米を導入した、パイオニア的存在でもあります。 蔵元ではこの農法で栽培された酒米を「自然米」と称しています。

本年度の「自然米」使用比率は、何と91%に達しており、創業300年を迎える5年後には、全量自然米使用を目指して、自社田栽培と契約栽培を更に広げつつあります。

仁井田穏彦社長


十八代当主の仁井田穏彦(やすひこ)氏。 氏は自ら自社田での酒米栽培から、醸造に到まで、直接自ら手を掛けています。 穏やかな風貌からは連想できないほどのパッションの固まりのような人です。

蔵では10月11日から酒造りが始まり、既に新酒が搾り上がっています。 訪問した日も、蔵内では粛々と酒造りは進められていました。

仁井田本家 洗米


丁度酒米の糠を洗い流し、適度な吸水をさせる作業をしていました。 冷たい水に手を突っ込んで、大切な酒米が砕米にならないように細心の注意で行われます。 ストップ・ウォッチを頼りに、秒単位の正確な作業がされています。

仁井田本家 麹室


今年作り替えられた麹室(こうじむろ)。 大変広いキャパシティーがあり、1.5tの仕込み総量までなら、手造り麹で対応してゆくと言います。

室の中ではK君が種切りと呼ばれる、蒸し米に麹菌を振る作業中。 大変微妙な勘を要求される仕事であると同時に、室の温度維持の為、私達はドアの隙間から垣間見せて頂きました。

約37℃の室にレンズを向けると、あっという間にレンズ・フィルターが曇ってしまいました。

仁井田本家 モロミ


仕込み蔵で、発酵途中のモロミを見せて頂きます。 タンクから汲み出したモロミを特別に見せて頂きました。 甘酸っぱく、炭酸ガスが噛んでいて、発酵ヨーグルトのようです。

仁井田本家 槽口酒


発酵の終わったお酒は、上槽(じょうそう)と呼ばれる酒搾りに附されます。 搾りたてのお酒を、直接汲んで頂き、至福の試飲。 これだけは、蔵元に足を運んだ人だけの特権。

仁井田本家 試飲


製品の試飲は、利かせて頂く方も、提供する方も、常に真剣勝負です。 製品の現在の熟成状態を把握します。

蔵元からは「忌憚のない意見を」と言われますが、褒めるのは簡単ですが、ご意見申し上げる時は相当緊張します。 蔵元もこちらの話を聞きながら、ある意味こちらの力量を測る訳ですから…

仁井田本家 試飲


こちらは蔵元の秘蔵品。 鑑評会へ出品した酒の氷温貯蔵品です。 緻密な味わいは、一般市販品とは一線を画します。

てな訳で、楽しいばかりでなく、非常にテンションの掛かる一日でありました。